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改正・動物愛護管理法に基づく20年度動物取扱責任者研修会を受講した際、講師の秋田県動物管理センター職員は、24年度に環境省の動物愛護管理推進計画が見直されるとした上で、ペット関係団体からの陳情を受け、ペットのインターネット販売や移動販売が禁止される可能性が強いとの見通しを示した。 大都市圏では普通に行われているのかも知れないが、ここ秋田ではペットの移動販売というのはあまり聞かない。公共施設を会場に雑貨などをかなり安く販売する移動販売は、ごく一般的だ。そうした場では掘り出し物が見つかる可能性もある反面、時計など一部の商品は購入後きわめて短期間で故障するといった例も少なくないし、販売業者がどこかに移動した後なため文句のつけようがない。まして、命あるペットを移動して販売しようものなら、トラブルが絶えないのではないか。そうした意味では、ペットの移動販売を法律で禁止する方向性は理解できぬではない。 気になるのは、IT時代の象徴のひとつともいえるネット販売でペットの取引が法的に禁止される可能性があるということ。ネット販売は、商品をホームページに掲載するなどして通信販売する業態で、犬、猫についてもかなりの数のペット販売業者やブリーダーが行っている。それらが全面禁止になれば、大方の顧客は最寄りのペットショップや知り合いのブリーダーを直接訪ねるなどして購入するといった対面販売方式だけが事実上認められることになる。 ペット小売業者の全国組織は平成15年に、ペットの通信販売を禁止する旨を「営業指針」として示した。通信販売であるから当然、ネット販売も禁止の範疇に入る。こうした組織の強い働きかけが、法律による「ネット販売禁止」の方向に傾いていると推察される。 ペットのネット販売は、ショーケースに見立てて子犬などの写真を性別、色、誕生日、価格といった情報とともにホームページに掲載し、閲覧者の中から気に入った人が購入する形態。常連閲覧者の皆さんにはご理解いただいていると思うが、当クラブは個々の子犬を販売目的でホームページに掲載したりはしない。つまり、"商品"の陳列は一切していないため「ネット販売」には該当しない。 子犬、成犬を問わず、秋田犬の購入ご希望の皆さんは、電話かメールで当クラブ事務局にコンタクトを取られる。ペットショップやブリーダーに対し、「子犬がほしいのですが、希望に沿った子がいますか」といった問い合わせをした後に、希望どおりの子がいれば直接足を運んだり、遠距離の場合は空輸などの手段で迎えるというスタイルは、当クラブも他と同様である。直接当地にお迎えに来られる皆さんも少なくない。そうした意味から、「当クラブの業態はインターネット販売ではない」と断言できるし、環境省が詳細な枠組みを設けず闇雲に「インターネットを使えばどんな形であれネット販売」と決めつけた法律に"改悪"するなら、反論もしたい。 そもそも、ネット販売を法律で禁止するか否かではなく、別の次元に問題は存在するのではないか。例えば、当クラブから秋田犬やドッグフードを購入なさる皆さんの口からよく出る不満は「ペットショップに直接足を運んで購入したけど、従業員などが秋田犬についての専門的な知識を持っていないので、購入後に何も相談できなかった。秋田犬の特性も知らずに売っている」「ブリーダーから直接購入したけど、売った後は面倒くさいような口ぶりで、飼い方などを丁寧に教えてくれない」といった内容。すべての販売者がそうだということではなく、無論一部なのであろうが、それら不満の多くはネットで購入したものではなく、対面で秋田犬を迎えた皆さんだ。 ネット販売しようが対面販売しようが、良い販売者は良い、悪い販売者は悪い、という事実に目を背けてはならないと思う。ペットのネット販売=悪、の図式は単純には成り立つまい。「ペットを直接見たり、顧客に触れさせないでネットで通信販売するのは命の軽視。また、トラブルも多い」との考え方が根底にあってネット販売禁止の方向に向かいつつあるのだろうが、関係団体や環境省にはそれ以前の根本的な問題を見誤ってほしくない。ネット販売でも誠意と良識でペットを販売している者は少なくないし、対面販売でもいい加減な意識の販売者は存在する。 ペットのネット販売を法律で禁止すれば、ペット市場の成長は鈍化し、ペット購入者はいずれ減少するだろう。インターネットは時代を反映する"器"なのであって、それ自体を否定すべきものではなく、否定されるとすれば誤った使い方をする者たちではないのか。ネット市場が成熟しつつある中で「ペットだけは禁止」などということをしようものなら、そのダメージは計り知れず、多方面にも波及する。 画一的な見方で法制化するより、未だに改正・動物愛護管理法を無視している動物販売の未登録者、つまり非合法者を市場から排除し、現行の研修会を含むペット関連業者の教育、指導の徹底が先決だ。実態を詳細に把握をせずに、ただ「法律で禁止」では何も解決しないことを、環境省は理解すべきであろう。 |